備える 2017.12.27 もしもメンタルヘルスに不調をきたしたら…… 収入はどうなる?

一昔前の休職といえば、けがや病気の治療が多かった印象がありますが、今はメンタルヘルスで休職をする人も見受けられるようになりました。厚生労働省による「平成28年 労働安全衛生調査(実態調査)」(*1)によれば、メンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業または退職した労働者が0.4%ほどいるとの結果が出ています。そこで、企業も意識しているメンタルヘルスと、メンタルが不調になって休職することになったときに頼りになる制度、うつ病になったとき保険に加入できるかについて説明します。

メンタルヘルス、メンタルの不調とは?

メンタルヘルスは、心の健康のことを指します。そもそも心が健康な状態というのは、安定して前向きな気持ちを持ち、何事にも意欲的な姿勢で取り組み、職場などの環境に適応して生活する状態のことです。しかし、いつでもこのような状態を保てる人は多くないでしょう。メンタルヘルスが不調になることは、誰にでも起こり得る身近なことなのです。

メンタルヘルスが不調になるのは、大きなストレスを感じること、睡眠が少ないこと、睡眠の質が悪いことなどが原因だといわれています。ストレスがたまると自律神経に悪い影響を与え、睡眠量が足りなくなったり、睡眠の質が低下したりします。

それが慢性化すると、精神的に苦痛を感じるだけでなく、脳や心臓にも悪い影響を与えます。夜は眠れないのに昼間に眠くなるという状態が続いたら、危険な兆候です。

メンタルが不調になってしまったら収入はどうなるの?

とはいえ、気をつけていてもメンタルが不調になってしまうこともあります。

精神不安定、心の調子が悪いと感じたら、心療内科や精神科などに相談しましょう。最近ではメンタルヘルス科やストレス外来というのもあります。受診後は、症状によって薬を飲みながら働くこともあれば、仕事を休むことをすすめられることもあるでしょう。仕事を休む場合は、就業規則や職場の制度について確認します。

仕事を休むことになるとその間の収入が心配ですが、会社員などの場合は傷病手当金の制度があります。傷病手当金とは、健康保険組合などの被保険者が利用できる制度です。所定の申請書に医師から労務ができないという意見と、事業主から働けない日数とその賃金の証明をもらい申請すると、連続3日の休業(待機期間という)後の4日目から1年6ヵ月(退職後も含む)までは標準報酬日額の3分の2に相当する傷病手当金が支給されます。

ただし、企業の手当てや他の公的給付が支給されている場合、その分は減額されます。

診察や薬代は健康保険を使えますが、風邪などで処方される薬と比較すると相対的に薬の値段が高いため、通院が長くなると医療費の負担が高くなる傾向があります。その場合、自立支援医療制度の申請を市区町村の窓口に提出すれば、1割の自己負担になります。また、所得によって毎月の自己負担額の上限額が設定されているのもポイントです。

メンタルヘルスに不調をきたし、さらに重度化すると保険に入れなくなる可能性も

メンタルヘルスに不調をきたすと、「うつ病」と診断されることがあります。うつ病とは、気分がふさぎ込んだり、落ち込んでいたりする抑うつ状態が重症化した病です。

うつ病になってしまうことで、通常のように勤務することができなくなってしまう可能性があります。そうなってしまうと、収入が減ることはもちろん、医療保険や死亡保険に加入できなくなる可能性が高くなることも見逃せないリスクです。保険の対象は身体のけがなどに目が向きがちですが、心の病も立派な病気。他の病気と同様、かかってからでは保険の加入は難しく、完治しても数年は加入できない場合もあります。

そのような状況の中でも加入したい場合は、保険料は割高になりますが、引受基準緩和型医療保険や無選択型医療保険などがあります。また、指定疾病不担保制度を取り入れている保険の場合、その特定の病気(例えばうつ病)を不担保にすることで、ほかの病気に備えることができます。

メンタルヘルスを保つためには定期的なチェックが必要

誰でもメンタルヘルスの不調になりえる可能性があります。万一メンタルヘルスで長期療養を余儀なくされたら、公的保障や会社の制度を確認し、手当を受けることも検討しましょう。恒常化しないよう、急がず焦らず、治癒してから職場復帰ができるようにしてみてはいかがでしょうか。

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