備える 2018.08.07 親の介護にかかる費用はいくら? 適切な介護保険を検討する

親の介護はまだまだ先の話だと油断していると、思わぬタイミングで介護費用の負担に悩まされてしまうかもしれません。子育てと親の介護が重なった場合、それまでの資金計画を見直す必要も出てきます。そこで、介護にかかる費用や介護保険について把握し、将来の介護資金対策について検討していきましょう。

■親の介護にかかる費用

2017年に厚生労働省が発表した調査によると、要介護認定を受ける人の割合は75歳から大きく上昇しています(表1-2-3-7 要介護等認定の状況)。個人差はありますが、親が60代を迎えているのならば介護の準備を始めておくべきでしょう。

では、親の介護費用はどの程度必要になるのでしょうか。62歳の男性が要介護3と認定されたケースで、毎月必要になる費用を考えてみましょう。

内容単価回数料金
訪問看護8,160円月5回4万800円
訪問介護3,940円月22回8万6,680円
デイケア6,810円月13回8万8,530円
ショートステイ8,630円月3日2万5,890円
福祉用具貸与月額2万5,000円
月額サービスの利用合計額26万6,900円

参考:公益財団法人生命保険文化センター Webサイト

上記の通り、1カ月で26万6,900円とかなり高額になります。しかし、全額を負担することにはならないので安心してください。40歳から加入を義務付けられている「介護保険」を利用すると、訪問介護や訪問看護などのサービスを支給限度額内であれば1割負担で受けることが可能になります。

介護保険対象のサービス利用料の1割2万6,690円
介護保険対象外のサービス利用料の全額7,500円
自己負担額3万4,190円

(ショートステイの滞在費と食費は介護保険対象外となるので、上記の表のうち介護保険対象外のサービス利用額の全額である7,500円分を全額負担として計算)
参考:公益財団法人生命保険文化センター Webサイト

1割負担でも月額約3.4万円、年間で言えば約41万円の介護費用が必要になります。あくまで一例ではありますが、これだけの費用の負担を検討しておかなければなりません。なお、65歳以上で合計所得金額が160万円以上の人は負担が2割になるので注意しましょう。

■親の介護をフォローするためには

いつかは親の介護が必要になるかもしれません。その日を見越して対策をしておくことが大切です。

(1)親の介護費用を貯蓄しておく

親の貯蓄がいくらあるかが分かれば、その分を差し引いていくら貯蓄しておくのがよいかを考えて早めに貯蓄を始めましょう。

(2)会社の団体保険で親の介護保障ができないかを検討する

民間保険の中には個人向けには販売していない保険がある場合があります。団体保険の中に親の介護保障をフォローできる保険や特約がないかを確認しておくとよいでしょう。会社の団体保険は給与から天引きできるため、払い忘れる心配もないでしょう。

(3)民間の保険もチェックしてみる

カード会員本人、配偶者、本人・配偶者のそれぞれの親が要介護2相当以上になった時に、一括で給付金を受け取れるサービス。概要は以下の通りです。

  • 満40歳〜満79歳まで新規申し込みができる。継続の場合は満84歳まで加入可能
  • 電話で申し込みができる
  • 受けられるサービスは家事代行サービス、配食サービス、見守りサービス、リフォームサービス、有料老人ホーム等紹介サービス
  • 生涯死亡保険金、傷害後遺障害保険金、介護一時金、個人賠償責任保険金が支払われる

また、クレジットカード会員なら受けられるサービスも存在します。

  • カード会員や会員の家族をサポートする訪問介護サービス
  • 介護士による無料電話相談、セゾンカード・UCカードで支払えば株式会社ホスピタリティ・ワンの訪問介護料金から5%割引で利用できる(東京都23区限定)
  • 電話での病気や介護の無料相談サービス
  • 自分や本人のプライベート看護サービスに利用できる(初めて利用する時は看護師派遣料金の30%割引)

■無理なく払える金額を考える

これまで育ててもらった親に介護が必要になったら、その費用を援助したいと考える方も多いでしょう。しかし、自身の生活もある中で、多額の介護費用まで負担するのは大変なことです。

親の介護が必要となったと仮定した際に、自分たちでいくら介護費用が負担できるのかをよく考えて、お金を別途貯めておくことが肝心です。定期預金つみたてNISAなど、さまざまな方法を検討し、将来のために備えておきましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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