備える 2019.03.27 財布を落としたらするべきこと。事前にできる対策はある?

財布を落として途方に暮れた経験はありませんか?その時はショックでしょうが、落ち込む前にすべきことがあります。これと同時に、もしもの時に備えて、事前にしておくべきことを確認しておきましょう。

■財布の落し物は意外と多い

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財布を落としたことがない人は「自分は大丈夫」と思うかもしれません。しかし、意外と財布の落し物は多いのです。警視庁によれば、2018年の東京都管内で、財布類は拾得物ランキングの第4位(371,221点)。拾得物全体の8.3%を占めるほどです。

■財布をなくした時にやることリスト

立ち寄った店や通った道などを確認
財布をなくしたことに気付くまでの経路を覚えていれば、まず記憶をたどって立ち寄った店をすべて訪れるか電話して、財布の忘れ物がないかを聞きましょう。

問題なのは、お酒に酔っていたなど、どんな経路をたどったか思い出せない場合です。こうした事態に直面したら、大事な財産を守るために、ただちに以下のように対処しましょう。

クレジットカード、キャッシュカードの利用停止と再発行を電話で依頼
まずクレジットカード会社の「紛失盗難受付デスク」に電話して無効にしてもらいましょう。カード会社は24時間年中無休で電話対応してくれます。なお、再発行の申請もその場で受け付けてくれるので、申請後1~2週間程度で新しいクレジットカードが届きます。

クレジットカードの紛失を届け出る前に不正に利用されたことがわかったら、届け出から60日前までさかのぼって被害額が補償されます。届け出前に不正利用されてもあきらめないで、カード会社に連絡することです。

キャッシュカードも同じです。なくしたことに気付いたら、一刻も早く24時間対応の「喪失受付センター」に電話して利用停止を申し出てください。キャッシュカードの紛失を届け出ると同時に再発行の手続きができる銀行も多いので、その場で確認するといいでしょう。

落としたキャッシュカードを使って第三者が不正に現金を引き出したことが分かったら、銀行に通知し、警察にも被害届を出すことによって、被害補償を受けることができます。ただし、推測されやすい暗証番号を設定し、泥酔してキャッシュカードの入った財布を紛失した場合、過失とみなされて被害補償額が減額されることもあるので、暗証番号の設定には十分注意してください。

最寄りの警察署か交番に届け出る
最寄りの警察署か交番に行って「遺失届出書」を出しましょう。これには名前・連絡先・特徴・なくした日時や場所などを記載します。警察で財布を探してくれることはありませんが、もしクレジットカードやキャッシュカードが不正利用された場合に、遺失届出書が提出されていれば、悪意の第三者による犯行であることを証明できます。

保険証や免許証の再発行の手続きをする
第三者が健康保険証や運転免許証を悪用してキャッシングしたことが分かっても、持ち主の意思によるものではないので支払い義務は生じません。もし不正利用が発覚しても、警察や消費生活センターに連絡して対処すれば大丈夫です。

記名式の交通系ICカードやポイントカードも利用停止して再発行する
定期券や記名式のSuicaまたはPASMOのような交通系ICカードがなくした財布に入っていたら、やはり利用停止と再発行の手続きをとります。利用している路線の駅の窓口に利用停止を申し出て、手数料を添えて再発行を申請します。

新しい定期券やICカードは、翌日から申告後14日以内にカード発行会社の窓口で受け取ることができます。なくしたカードの入金残高については、利用停止を申し出た時点までの金額が新カードに反映されます。

各種ポイントカードも不正利用を防ぐために停止手続きをします。例えば、Tカードなら、Tサイトにアクセスして登録情報を入力すればいつでも手続きできます。

Pontaカードの停止手続きはPontaカスタマーセンター(0120-0-76682)に電話すれば毎日午前9時から午後9時までまで受け付けてくれます。

nanacoカードは24時間対応のnanacoお問い合わせセンター(0570-071-555)に電話します。ポイントカードによっては再発行したカードにポイントを引き継げる場合もあります。

■万が一に備えて、事前にできることは?

財布を落としてしまった場合、直後に見つからなければ、第三者にクレジットカードなどを不正利用されないためにできるだけ早く関係各所に連絡することが重要です。それには、日頃から重要性の高いカード類の番号と、紛失した際に連絡する先の電話番号をメモを保存しておきましょう。こうしたメモは一緒になくさないため、自宅で厳重に保管しましょう。

財布をなくしたことで、定期券も現金もなくて家に帰れないような事態も想定されます。そんな時のために、スマートフォンの電子マネー機能を使って、ある程度の金額をチャージしておくと安心かもしれません。

■帰りの電車賃さえない場合は交番に駆け込もう

財布を紛失し、定期券もなく頼れる知人もいない、スマートフォンに電子マネーをチャージさえしていない絶望的な状況に陥ったらどうすればいいのでしょうか。そんな時には交番に助けを求めて駆けむといいかもしれません。

もちろん後日全額を返済する義務はありますが、1,000円を目安に帰りの交通費を借りることができます。これは、警視庁(東京都)が規定する「公衆接遇弁償費事務取扱要綱」のような制度のある都道府県警に限られます。全国どこでも利用できる制度ではないので気を付けてください。

■なくした時に慌てず行動できるように

クレジットカードやキャッシュカードは不正利用されても、速やかに連絡しておけば基本的に補償されます。定期券や免許証、保険証なども再発行できます。しかし、現金は戻ってきませんし、気苦労や再発行に掛かる手間は相当なものです。

大切なのは財布を落とさないよう気を付けることですが、それでも紛失する可能性はあります。なくしてから慌てないよう、連絡先をメモするなど事前に備えをしておきましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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