備える 2019.02.26 医療費控除のQ&A インプラントなどの自由診療も申請可能?

医療費控除は個人でも簡単にできる節税方法のひとつ。レーシックやインプラントなども対象となりますが、勘違いして控除の申告をしていない人もいるのでは?今回は、医療費控除について、誤解されがちなことをQ&Aで説明します。

■医療費控除についておさらい

医療費控除とは年間の医療費が一定額以上かかった場合に、確定申告をすれば所得控除を受けられる仕組みのこと。控除の対象となる医療費は確定申告を行う対象年の1月1日から12月31日までの間に支払った総額で、医療費控除額の上限は200万円です。年間所得が200万円以上か、200万円未満かによって控除額の計算が変わってきます。

200万円以上:医療費控除額=医療費の合計-保険金などで補填される金額-10万円

(例)所得が200万円、医療費の合計が60万円、健康保険からの出産一時金が42万円だった場合では、60万円-42万円-10万円で、医療費控除額は8万円です。

200万円未満:医療費控除額=医療費の合計-保険金などで補填される金額-所得の5%

(例)所得が100万円、医療費の合計が60万円、健康保険からの出産一時金が42万円だった場合では、60万円-42万円-5万円で、医療費控除額は13万円です。

この計算式に当てはめて、結果がマイナスでなければ医療費控除額が発生するということ。その場合は確定申告を行うことで還付金を受け取ることができます。「いちいち計算するのは面倒」という人は医療費が10万円を超えたら医療費控除が発生すると覚えておいても問題ありません。

ただし医療費控除=実際に還付される金額ではないことには注意しましょう。還付金額は医療費控除額に所得税率(所得に応じて5%~40%)を掛けた額です。

(1)の場合であれば所得税率は10%なので、8万×10%で8000円、(2)の場合であれば所得税率は5%なので13万円×8%で1万400円となります。

■医療費控除のQ&A 申告期間や対象など

医療費控除の基本を説明してきましたが、実際に手続きをしようとすると「期間は?」「家族の分は?」など、いろいろな疑問がでてくると思います。ここからはよくある質問に回答していきましょう。

Q:医療費控除を申告できるのは1年間だけ?
A:5年間さかのぼっての申告が可能


医療費控除は、給与などから源泉徴収された税金を確定申告することによって還付してもらう「還付申告」です。還付申告書は確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。つまり過去5年分さかのぼって還付申告できるのです。ただし、それぞれの年で医療費が10万円を超えていないと、そもそも医療費控除の対象にはなりません。


Q:申告できるのは本人だけ?
A:生計を一にしている家族も対象


医療費控除の対象となる医療費は「生計を一にする」配偶者やその他の親族のために支払った医療費です。「生計を一にする」とは、一緒に住んでいるという意味ではなく、家計を一緒にしているという意味です。親元を離れて下宿している大学生の子どもの医療費も合算できます。

共働きで妻が扶養を外れている場合は、所得の多い方が医療費控除を申告するといいでしょう。所得税は累進課税のため、より多くの控除を受けられる可能性があるためです。ちなみに二世帯住宅で親と同居していても家計が別ならば合算はできません。


Q:レーシックやインプラントなどの自由診療は適用外?
A:自由診療でも対象になるものがある


健康保険が適用されず自費で支払った自由診療の費用でも、医療費控除の対象となるものがあります。例えばレーザーを照射して近視や乱視を矯正するレーシックや、人工歯根を埋めるインプラントなど。

歯列矯正は専門医の診断がある場合は対象となりますが、容貌を美化するための治療は対象になりません。他にも自由診療である妊娠中の定期検診や検査代、出産費用、不妊治療の費用なども対象です。


Q:治療費のみが控除対象?
A:治療のためにかかった公共交通機関の交通費は対象


医療費控除の対象になるのは治療費だけではありません。治療のための通院や入院にかかった公共交通機関の交通費も対象です。緊急時や体調が悪くやむを得ず利用したタクシー代も認められます。ただし、自家用車で通った場合のガソリン代や駐車料金は対象になりません。


Q:医療費控除はどうやって申告するの?
A:税務署に申告するほか電子申告もある


医療費控除の申請は税務署で申告書を入手して作成します。税務署に行くのが面倒という人はe-Tax(イータックス)でも申請可能。e-Taxとは、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用して税務署に行かずに自宅から申告ができるシステムで電子申告ともいいます。

また国税庁のウェブサイトから「医療費集計フォーム」をダウンロードして入力すると便利です。「医療費集計フォーム」に入力・保存したデータは「確定申告書等作成コーナー」の医療費控除の入力画面で読み込み反映できます。医療費の領収書は提出不要ですが5年間は保存義務があるため大切に保管してください。

■制度を上手に利用して節税を

思い違いをしていて、今まで医療費控除の申請をしていなかったという人は、まずは一度「生計を一にする」家族の医療費を集計しましょう。納税したお金が還付されるかもしれません。制度を上手に利用して節税できれば、お財布の中身も潤うかもしれませんよ!

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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