貯める 2017.03.29 お金が貯まる人・貯まらない人の違いって何?
「金融リテラシー」という言葉をご存知ですか? 近年、新聞やニュースでもよく取り上げられている用語のため、聞いたことがある人も多いでしょう。私たちが生活していくうえで、お金を上手に管理したり、賢く使ったりするために、お金についての知識を持ち、適切に判断することが必要不可欠です。お金にかかわる知識や情報を正しく理解し、主体的に判断できる能力のことを「金融リテラシー」といいますが、一般的にお金が貯まる人は金融リテラシーが高いといわれています。では、貯まる人と貯まらない人の違いはどこにあるのでしょうか?
「成り行き貯蓄」をやめ、「先取り貯蓄」で貯まるしくみをつくる
ここでは、貯め上手な人をAさん、貯まらない人をBさんとして、お金に関する習慣や考え方の違いを表にまとめてみました。
貯まる人(Aさん)の習慣 | 貯まらない人(Bさん)の習慣 | |
貯蓄目標 | 貯蓄の目的や目標額を具体的に設定し、いつまでにいくら貯めるか、ゴールを明確にしている。 | 貯蓄の目的や目標額が具体的ではなく、ただなんとなく貯めようとしている。 |
貯蓄方法 | 給料が入ったら、まず決めた一定額を「先取り貯蓄」し、貯まる仕組みを整えている。 | 給料が入ったらとりあえず1カ月生活し、残ったら貯蓄する「成り行き貯蓄」をしようと思っているが、現実にはほとんど残らない。 |
管理方法 | 生活費用の口座(メインバンク)と貯蓄用の口座(サブバンク)を使い分け、少しでも利率のいい預金や金融商品を選んで貯蓄している。 | お金は銀行の普通預金(給与の振込口座)に入れっ放しにしている。 |
生活費 | 食費や交際費、美容や化粧品代などを予算立てして、1カ月の生活費を把握している。手数料無料などの銀行サービスを知っているので、お金をおろすときにも ムダなコストがかからない。 | 自分が1カ月いくらあれば生活できるのか把握していない。お金が足りなくなるたびにATMで出金するので、時間外や他行・コンビニのATMでムダな手数料も発生する。 |
買い物 | 何か買うときは、自分にとって必要かどうかを慎重に判断。高額なものはきちんと貯蓄してから購入する。クレジットカードは必要なときに必要なだけ利用し、利用額もきちんと把握できている。 | 「自分が欲しいもの=必要なもの」と勘違いしがちで、自分の欲求を満たすために無計画に衝動買いしてしまう。クレジットカードの利用額を把握しておらず、翌月の請求額にびっくりする。 |
貯め上手なAさんの習慣を見てみると、特に難しいことをしているわけではないことがわかるはずです。一方、Bさんの習慣を見て、自分にも当てはまるドキッとする項目はなかったでしょうか?
どうやったらお金が貯まるのか? 答えは「しくみ」
お金を貯めるために何より重要なのは、先取り貯蓄できるしくみを整えることです。
「収入-生活費=成り行き貯蓄」ではなく、「収入-先取り貯蓄=生活費」と家計の計算式を変えることで、お金は自動的に貯まっていきます。
勤務先に財形貯蓄制度があるなら、一般的な預金より有利に貯められるので、積極的に利用を検討しましょう。
また、手数料や利便性などを考慮したうえで、上手に銀行を使い分けることも大切。給与が振り込まれる口座をメイン口座とし、同じ口座に公共料金などの口座振替をまとめると、生活費の詳細が把握しやすくなります。その上で貯蓄は金利がいいネット銀行などに移して、サブ口座として活用するというのが、実践しやすい一例といえるでしょう。
生活費のやりくりに関しては、1カ月の給料で33日間暮らし、1年後に約1カ月分の浮いた生活費をまるごと貯蓄できる1カ月「33日やりくり」というユニークな方法もおすすめです。一度詳細をチェックしてみてはどうでしょうか。
貯まる仕組みを整えるPDCAサイクルとは?
Aさんのように貯まるしくみを整えるには、Plan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Act(改善)という好循環な家計の流れをつくることが先決です。
具体的には、
- Plan:貯蓄の目的を明確にし、目標額や達成までの期限を設定
- Do:目標額を達成するために、毎月いくら先取り貯蓄するか、いくらで生活するかを決め、実践
- Check:家計簿や小遣い帳などで支出内容をチェックし、ムリな予算立てやムダな出費がないか確認
- Act:計画通りに貯蓄できない場合や生活費の予算内で暮らせない場合は、貯蓄目標額や達成期限、生活費の費目ごとの予算立てを見直し、修正
この1〜4までのサイクルを繰り返すことで、徐々に貯蓄体質へ変化することができます。
「金融リテラシー」というと難しく感じるかもしれませんが、貯まる人の基本的な特徴は実はシンプルで、誰でも実践できることがほとんどです。たくさん稼いでいるから貯められるのでは決してなく、収入が少ない人でも貯まるしくみを確立できれば、自動的に貯まっていくということを肝に銘じましょう。
今一度、自分のマネー習慣や貯めるための仕組み作りを見直してみませんか?
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