貯める 2018.04.13 【体験談】貯金に失敗しがちな人が陥りやすい罠って?
十分な収入があるのに、なかなかお金を貯められない「貯金ベタ」な人には、ある共通点があります。そこで、お金を貯めることを意識しながら生活した結果、貯金体質になったというBさんに、今だから分かる貯金ベタの共通点と克服法を教えてもらいました。
■親友のマイホーム購入が良い刺激に
Bさん(28歳・男性)
アパレル商社勤務・神奈川県在住・独身・年収420万円
- 貯金ベタだった頃は、貯金額0円。毎月、給料日前になると手持ちのお金が無くなり、近所に住んでいる両親に1~2万円ほど借りることもあった
- 食事はほぼ外食。もしくはコンビニやお弁当チェーン店で購入
- 貯金ベタを克服したのは約2年前。現在の貯金額は180万円
就職してから4年間、まったく貯金ができなかった私が本気で貯金をしようと考えるようになったきっかけは、親友の結婚でした。彼が結婚を機にマイホームを購入したと聞き、その時はじめて、自分と同じ年の人でもきちんと貯金をしている事実を知って、焦りを感じました。
■毎月いくらお金を使っているか分からない
私と親友は、同じ会社の同期入社。同じ部に勤務していました。そのため、月収はほぼ同じだったと思います。それにもかかわらず、なぜ彼はマイホームを購入する時に頭金を用意することができていて、私には頭金を用意する余裕がなかったのか。その理由を探ってみました。
彼の行動をさりげなく観察していて最初に気づいたのは、彼は外食や買い物をした時には必ずレシートをもらっていることでした。
そこで、なぜ彼にレシートをきちんと取っておくのか理由を聞いてみたところ「毎月、何にいくら使ったか、確認しているからだ」と教えてくれました。レシートを1カ月分まとめておき、更にレシートのない飲み会の費用などは手帳にメモを残して、給料日前日にその月の出費の内訳を集計しているというのです。
それには大変驚きました。私は出費の内訳どころか、1カ月でいくらお金を使っているかさえ把握していなかったんです。
■趣味に使うお金の割合が多い
親友の真似をして1カ月後、給料日前日に貯まったレシートとメモを計算してみると、固定費を除く出費の合計は8万円以上あると分かりました。金額にもビックリしましたが、内訳を調べてみて、趣味に費やすお金の割合が多いことも驚きでした。
私の趣味は、帽子の収集です。月に数千円程度のスポーツブランドのキャップを中心に買い集めていました。これは、自分ではお金のかからない趣味だと思い込んでいたのですが、レシートを計算してみると1万円を超えていました。
しかも、これは街のショップで購入した金額のみ。すぐにネットショップの購入履歴を調べてみたところ更に2万円もの出費が分かり、合計すると3万円を超えていたのです。
■給料日の数日前になるとカードローンを使いたくなる
貯金ベタだった頃、月々の手取りは約25万円でした。そこから家賃10万円、光熱費2万円、通信費5,000円、保険料1万円を差し引くと手元に残るのは約11万5,000円。1カ月分の食費及び雑費には十分な金額に思えますが、それでも当時は、いつも金欠で悩んでいました。
給料日前、食費さえなくなってしまった時には近所に住んでいる両親の元に出向き、数万円の借金をすることもしばしば。それでも足りなくなった時には、コンビニのATMでも引き出せるカードローンを月1~2万円程度利用することもありました。
ほんの数万円ですので、給料日には必ず返済していました。そのためか、お金を借りる罪悪感もありませんでした。しかし、借金を返済すると翌月の生活費が足りなくなり、再び借金をするという悪循環に陥っていたことは確かです。
■貯金がたまらない理由は……部屋が汚い!?
小さな借金の悪循環から解放された後は、少しずつですが貯金ができるようになりました。しかし、少し貯まったかと思うと、電化製品を買い替えることになったり、スーツを新調することになったりなど、不本意な出費が重なり、まとまった金額は貯まりませんでした。
どうして貯金ができないのか――。悩んだ結果、私は、当時はまだ付き合い始めだった彼女に相談しました。結婚を前提に交際していたこともあり、将来のために思い切って貯金がないことをうちあけると「部屋の中を見せて」と言われ、その日のうちに彼女が部屋にやってきました。
その時、部屋は散らかり放題。服は脱ぎっぱなし、本は読みっぱなし、ゴミも溜まっていて、嫌われるかもしれないと不安でしたが、意外にも彼女は冷静に「やっぱりね」と一言。その訳を聞くと、貯金が貯まらない人はものをきちんと管理できない人が多いのだと教えてくれたのです。
そう言われて考えてみると、電化製品が頻繁に故障するのも、スーツがすぐに傷んでしまうのも、持ち物をきちんと管理せずメンテナンスを怠っていたせいだと気づきました。また、自分が持っているものを把握していないせいで、同じ洗剤を何個も買ってしまったり、同じような服を何枚も買っていたことも気づかされたのです。
■貯金ベタからの克服!
これらの共通点がある人は注意です。実際に私は今までの生活を改めようと決めました。実際にやったことは下記の通りです。
- 毎月いくらお金を使っているかをアプリで登録し、見える化
- 趣味に使うお金は上限を決めて、それ以上使わない。私の場合は月1万円に設定した
- 給与前のカードローンは禁止。給与前にお金がなくなることをあらかじめ想定し、借りずに済むように、毎週使う金額の上限を設定した
- 汚い部屋を綺麗に。不要なものを処分し、必要なものだけを置くことにした
これらのことはよく言われていることかもしれません。しかし、これを地道に行うことによって、無駄なものを買わずに済むようになりました。そして、最後に何かを購入する時は、本当にそれが必要なのかどうかを3回考えることにしました。時間をおいて3回考え、それでも欲しいと思ったものは本当に欲しいもの、いらないなと思ったものはいらないものと分類することで、徐々に無駄な買い物が本当に減っていきました。不思議なものですが……。
■現在のBさんは結婚に向けて貯金に励む毎日
さて、お金やものの管理を始めてから約2年。現在のBさんは彼女との結婚に向けて、着々と貯金を増やしているそうです。貯金が苦にならなくなった理由として、親友のように結婚と同時にマイホームを購入すると決めたことが大きいと言います。
目標が定まったことと、彼女も一緒に結婚資金のための貯金を始めたことが励みになり、約2年で180万円を貯めることができたと教えてくれました。
貯金ベタで困っているのなら、1人で悩まず、Bさんのように恋人や親友、家族などに相談をして、自分を管理してもらうのも良い突破口になると言えるでしょう。
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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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