貯める 2019.04.11 貯蓄型保険の解約返戻率の高さに飛びつくのは危険!

保険の本来の目的である保障のみならず、貯蓄にもつながる「貯蓄型保険」があります。貯蓄型保険に分類されるのは解約返戻率が高い商品で、その返戻率の高さは商品パンフレットで大きく書かれることが多いようです。その点に飛びついて契約して後悔しないよう、注意点を確認しておきましょう。

■「解約返戻率が高いから貯蓄型保険を選ぶ」のは正解?

貯蓄型保険には、学資保険、終身保険(低解約返戻型)、養老保険、個人型年金保険、外貨建保険などの種類があります。これらが選ばれているのは、将来解約する時に受け取れる解約返戻金の割合が比較的高めに設定されているからです。

知ってのとおり、現在日本では超低金利の状況が続いています。100万円を10年間定期預金に預け入れても利率は0.020%前後で、10年後受け取れる利息は2,001円(税引き前)です。しかし貯蓄型保険の解約返戻率は105%や108%など高めに設定されていることがあります。

上の場合では、解約返戻率105%の貯蓄型保険なら、5万円受け取れることになります。それだけみると定期預金よりも貯蓄型保険のほうがよさそうです。しかし注意したい点があります。それは解約返戻率が実際に戻る金額と異なる場合があることです。

■目的を明確にして加入を検討するべき

パンフレットなどに解約返戻率が大きく108%や110%と書かれていても、高い解約返戻金を受け取るためにはいくつかの条件をクリアしなければいけません。こうしたことはパンフレットや提案書(設計書)に小さな字で書かれていることがほとんど。よく読んでいなかった、気づかなかったという人が多く、実際には以下のような問題が起きています。

保険料の払込期間によって解約返戻率が異なることを理解していなかった

たとえば契約期間が10年間の貯蓄型保険で、3年間で満額を払い込み、残りの7年を据え置きする場合と10年間毎月払い込み、据え置き期間を置かない場合とでは解約返戻金が異なるのに気づけなかったというものです。

解約返戻金が異なるのは、払込期間が3年と10年では1年間で払い込む金額が違うためです。解約返戻率が同じでも、10年間払い込むほうが解約返戻金は高くなります。

解約返戻金が高くなるものの、思ったよりも死亡保障が少ない

貯蓄型保険は解約返戻率が高いのが特徴です。このため貯蓄性は高いといえますが、その分、貯蓄型ではない生命保険と比べると死亡保障は少なくなります。

■貯蓄型保険もあくまで資産形成の一手段

貯蓄型保険の解約返戻率の高さに飛びついて契約してしまって、後で勘違いに気づいて困ったというケースは頻発しています。

一つの保険商品で必要な保障を備えながら十分な貯蓄までするというのは、現実的ではありません。貯蓄型保険も、将来の資産をつくるための一つの手段にすぎません。ほかの保険商品や運用商品とのバランスを考えて、契約するかどうかを検討しましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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