増やす 2018.04.05 個人向け国債徹底解剖! 変動金利、固定金利の種類の違いって?

個人向け国債はリスクを抑えて運用をしたい人にとっては投資をしやすい商品の1つだといわれています。個人向け国債は利率が変動するものと固定するものがあります。そこで、個人向け国債の内容や特徴について一緒に考えてみましょう。

■個人向け国債のしくみって?

個人向け国債は2003年2月に販売が開始された、個人のみが購入できる国債です。1万円から購入できるので、手軽に始めることができます。販売当時は10年満期の変動金利タイプだけが発行されていましたが、現在では5年満期の固定金利タイプ、3年満期の固定金利タイプも発行されています。

[利率]

個人向け国債の利率は「基準金利(※)」をもとに決められます。基準金利の下限が決まっているので、金利がいくら下がったとしても、0.05%の利率で発行される債券です。
(※:利子の計算期間が開始される日の前月までに、最後に行われた10年固定利付国債の入札(初回利子は募集期間開始日までの最後に行われた入札)の平均落札利回り)

[解約]

個人向け国債は解約する時にも特徴があります。

債券の値動きは株式ほど激しくはないものの、毎日単価が変わります。通常の債券を解約しようとすれば、その時の時価(単価)で解約され、利益になる時もあれば損をすることもあります。

一方、個人向け国債は単価がずっと100のまま変わりません。売却しても評価は100なのです。ただし、個人向け国債は購入してから1年間は解約できません。加えて、解約時には「直近2回分の利子相当額×0.79685」が差し引かれることを覚えておきましょう。

ちなみに、個人向け国債は日本が破綻した時には元本が戻ってきません。個人向け国債は元本保証ではないので、損する可能性もゼロではないと覚えておきましょう。

◎個人向け国債は、下記の3点が大きなポイントです

  • 解約時に直近2回分の利子相当額が差し引かれる
  • 国が破綻しない限りは運用される
  • 発行後1年間は解約できない

■個人向け国債は3種類!変動金利と固定金利をみてみよう

それでは個々の特徴をみてみましょう。

◎変動金利(10年)

個人向け国債の変動金利の商品には10年債があります。半年に1度、利金にかかる利率が変動するタイプの商品です。特徴は利率が半年に1度見直しが行われることです。
金利の設定方法は、「基準金利×0.66」で算出されます。

◎固定金利(3年、5年)

一方、固定金利は3年債5年債があります。いずれも利率が満期まで固定されます。
金利の設定方法は、5年債の場合は「基準金利-0.05」、3年債の場合は「基準金利-0.03」で求められます。

個人向け国債の各商品を比較した表は下記のとおりです。商品性がとてもシンプルなので、今まで預貯金しかしたことがないという人にとっても始めやすい商品だといえます。

財務省HPを参考に、マネチエ編集部作成(財務省HPを参考に、マネチエ編集部作成)

■変動金利と固定金利、どちらを選ぶ?

個人向け国債には変動金利と固定金利の合計3種類の商品があると説明しましたが、どちらを選べばよいのでしょうか。変動金利を選ぶ方がよい人、固定金利を選ぶ方がよい人に分けて考えてみましょう。

◎変動金利(10年)を選ぶ方がよい人

日本は現在、超低金利時代が続いています。今後、インフレが起きて金利が上がると考えるのであれば10年変動金利を選ぶ方がよいでしょう。

変動金利は半年に1度利率の見直しが行われるため、金利が上がればその分もらえる利子もふえるのでメリットがあります。また、金利の動きを見ることができるので、経済の勉強にもなります。長い時間軸での「変動」という動きを見ながら、投資を勉強したい人にとっては、変動金利を検討してみるのもいでしょう。

◎固定金利(5年・3年)を選ぶ方がよい人

その一方、固定金利を選ぶ方がよいのはどのようなタイプの人でしょうか。

たとえば、景気が下落局面で今後デフレが起きたり、金利が下がると考えるのであれば、固定金利を選ぶ方がよいでしょう。基準金利が下がれば、その分、利率も下がります。デフレの時、購入後は満期まで金利変動がないため少しでも高い金利を得たいと思うのであれば、金利を固定しておく方がよいということになるでしょう。

また、今まで投資をしたことがない人にとっても、個人向け国債は安定的な運用ができることから、預貯金以外のお金の置き場所として検討することができます。

1万円で購入できるため、変動金利と固定金利の両方のタイプを購入し、どちらの方がよいのかを実際に比較し、投資感覚を養う人もいるので、どちらがよいか悩む人は両方を購入する選択肢もあるかもしれません。

■金利だけでなく、その他の条件にも注目を!

個人向け国債は証券会社や銀行など多くの金融機関の窓口や、インターネット上でも購入することができます。また、購入金額に合わせて商品券や現金のキャッシュバックなどキャンペーンを行っている金融機関もあります。

個人向け国債はどの金融機関で購入しても同じ商品です。そのため、どの金融機関で購入するのがよいのか、サービス比較をしたり、利便性の高さを加味して購入するのも一案です。金利だけではなく、その他の条件にも注目し、資産形成の第一歩として個人向け国債を検討してもよいかもしれません。

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