学ぶ 2017.01.13 新しい支払い手段、「ビットコイン」とは

インターネット上での物やサービスの支払いに使うことができる仮想通貨は、これまで投資目的での利用が多かったのですが、決済方法としての側面もクローズアップされています。代表格と言えるビットコインは、国内初の公共料金収納サービスやVISAプリペイドカードとの連携、外国為替証拠金取引(FX)など、その利用シーンを広げつつあります。2016年5月に仮想通貨に関連した法律が成立したこともあり、この半年で仮想通貨の市場は急成長しました。特に取引が活発なのはビットコインで、2016年度の取引高は2兆円に及ぶとも言われています。今回はその仕組みと使い方をご紹介します。

■ビットコインの仕組み

普段、私たちが使っている通貨とは異なり、ビットコインは実体のないただの暗号です。この暗号を安心・安全、かつ有効に使うことのできる理由は大きく分けて3つあります。

(1)世界中のコンピュータで分散管理される

実際の通貨は国や発行機関によって発行や流通が中央集権的に管理され、一見、国の管理下にあるのは安心だと思いがちです。しかし、終戦直後の日本では預金封鎖があり、最近ではジンバブエのハイパーインフレやギリシャの預金封鎖が取り上げられたことを考えると、「絶対に安心」とは言い切れない面もあります。

その点、ビットコインは世界中のコンピューターネットワークを使って分散管理しているため、通貨の発行と管理はネットワークを使う人すべてが、その安定性と公正性を担保していると言い換えることができます。

(2)不正な複製や悪用ができない

ビットコインは取引が行われるたびに利用履歴が「ブロック」と呼ばれるデータのかたまりで記録されていきます。それが鎖状に長くつながって通貨取引を管理しているのです。この仕組みを「ブロックチェーン」と呼び、仮に複製や悪用が見つかっても、現存するブロックチェーンの中で最も長いものが正しいと判別できるようになっています。

例えば1枚の千円札があったと仮定すると、その千円札をこれまで所有していた人の名前と時間の履歴が記入されている、というようなイメージです。そのため、複製をしてもいつ誰が所有していたかが分かるので、悪用できないのです。

(3)海外送金のコストと手間が少ない

実際の通貨で海外へ送金しようとすると手数料が何千円もかかり、送り先によっては手続きに何日も必要な場合も。それがビットコインなら手数料はほぼゼロ。手続きにかかる時間も約10分と短縮できます。

ただ、注意しておきたいのが「価格の変動が大きい」という点。円やドルも為替レートで変動しますが、ビットコインはそれ以上の振れ幅で上下する、ということを理解しておきましょう。

■ビットコインの買い方・使い方

実際にビットコインを使うには、まずビットコインを購入する必要があります。現在、ビットコインは、パソコンやスマホを介してオンラインで利用できる「ビットコイン取引所」や、街中やショップに設置された「ビットコインATM」(英語サイトへ飛びます)で買うことができます。

購入前には、ビットコイン用の財布(ウォレット)を用意しておきましょう。と言っても、実物の財布を用意するわけではありません。イメージとしては銀行のオンライン口座のようなもので、パソコン用、スマホ用、専用端末など、用途に合わせて選べます。

ビットコインを実店舗で使う場合は、次のような流れで決済します。

  1. お店側がモバイル端末やタブレットに会計金額を入力する
  2. お店の端末からQRコードが発行される
  3. 利用者はスマホでQRコードを読み取って支払いの手続きへ

なお、ビットコインを利用可能なお店は「Bitcoin日本語情報サイト」でチェックできます。

現在、ビットコインを取得した際に消費税がかかりますが、これを2017年春になくす方向で財務省と金融庁が調整を始めました。実現すれば、より本格的に「お金」として認められることになりそうです。

マネチエでは身近なお金の話題をお届けしています
この記事を気に入っていただけたらフォローをお願いします!

ページトップ