備える 2017.01.18 初めて妊娠・出産される方必見!健康保険が適用されるケースを解説

「妊娠したら保険には加入できない」と思っている人は多いのではないでしょうか。また、妊娠がわかったことを機に、「いろいろ心配だから、医療保険を検討しよう」と考える人もいるかもしれません。今回は、妊娠時の保険加入の条件について、詳しく見ていきましょう。

妊娠中の医療保険加入には条件が付く

実は、妊娠27週目までであれば、ほとんどの保険会社で医療保険に加入することは可能です。ただし、保険に加入する際は告知書で「妊娠しているかどうか」を明記しなければならず、妊娠が発覚してから医療保険に加入しようとすると、多くの場合が条件付きの不利な加入になってしまいます。

妊娠がわかってから医療保険に入る場合は、「特定部位の不担保」という条件が付くことがほとんどです。「部位不担保」とは、特定の体の部分や指定の疾病についての保障は対象外となることを意味します。

具体的には、以下のような項目が不担保となるのが一般的なケースです。

  • 帝王切開
  • 切迫早産
  • 切迫流産
  • 吸引分娩
  • 早期破水
  • 子宮外妊娠
  • 前置胎盤
  • 妊娠中毒症
  • 死産 など

厚生労働省の調査によると、2011年度の医療機関における帝王切開で出産した人の割合は19.2%、この割合は年々上昇しています。今の時代、実に妊婦さんの5人に1人が帝王切開で出産しているということになるのです。

もし、妊娠前に手術などを保障する医療保険に加入していれば、帝王切開は手術給付金や入院給付金の対象となります。しかし、妊娠発覚後に特定部位の不担保という条件付きで医療保険に加入すると、こうした給付金を受け取ることはできません。

未婚で将来を意識したパートナーがおり、子どもを授かった後結婚をする可能性のある人は、今のうちに医療保険への加入を検討するのがおすすめです。

妊娠・出産で健康保険が適用されるケースとは

妊娠・出産は病気ではないため、健康保険は適用されませんが、何かトラブルがあって医療措置が必要になった場合は、特定の検査や治療に対して健康保険が適用されます。

たとえば、妊婦健診のときに行う超音波検査には保険はききませんが、切迫早産や前置胎盤などの検査のために行われる超音波検査には健康保険が使えます。また、出産時の麻酔についても、母親の希望による麻酔には保険はききませんが、医師が医学的な理由から麻酔を使う場合は健康保険の対象となるのです。

では、妊娠・出産で健康保険が適用される主なケースを確認してみましょう。

■妊娠中

  • つわり(重症妊娠悪阻)
  • 切迫早産、早産
  • 切迫流産、流産
  • 前期破水
  • 妊娠中毒症
  • 逆子や前置胎盤などの超音波検査
  • 合併症(妊娠糖尿病や妊娠高血圧症などの併発) など

■出産・入院中

  • 帝王切開
  • 吸引分娩
  • 止血のための点滴
  • 微弱陣痛時に陣痛促進薬を使用
  • 医学的対応の場合の無痛分娩の麻酔
  • 赤ちゃんの新生児集中治療室への入院 など

また、妊娠中に別の疾患がわかって治療を受けたり、入院したりしたときは、その疾患に対する治療費、投薬料、入院費などには健康保険が適用されます。さらに、その疾患が妊娠・出産に悪影響を及ぼす恐れがあると認められた場合は、その診察や検査にかかった費用なども健康保険の対象となります。

高まるリスクへの備えが肝心

近年は高齢出産が増えており、妊娠・出産時のリスクが高まるケースもめずらしくありません。また、妊娠をすると初期の段階からつわりに悩んだり、切迫流産などの危険にさらされたり、妊娠高血圧症や妊娠糖尿病、貧血など、母体や赤ちゃんの命にかかわる病気にかかる危険も高まります。

未婚、既婚にかかわらず、「子どもが欲しい」と思ったら、早めに医療保険への加入を検討しましょう。また、妊娠や出産時にトラブルがあった場合、健康保険がきくケースについても紹介しました。妊娠・出産は女性にとって、人生で最も大きな経験の1つ。自分自身と新たに生まれてくる命を守るためにも、保険についての正しい知識を持ち、万が一に備えることが重要です。

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