備える 2016.10.13 妊娠・出産時にかかる費用はいくら? 知っておきたい助成金制度について
妊娠・出産には健康保険が適用されないというのは、意外と知られていない事実です。そのため、定期的な妊婦健康診査(妊婦健診)や出産のための入院などは、思いのほか高額になることも。しかし近年、自治体などによる助成制度が充実しており、公的制度による受給金を活用することでかなり負担を軽減することができます。妊娠・出産にはどのくらいの費用がかかり、また、どんな助成を受けることができるのかを見ていきましょう。
■妊婦健診、分娩費用のほかにも、実はお金が必要
妊娠・出産にかかる費用には、妊婦さんの状態やかかる医療機関などによって、かなり幅がありますが、トータルで約50万円程度~が目安。大きくは「妊婦健診」、「出産費用」の2つに費用がかかります。
- 妊婦健診:4~9万円程度(約3,000~6,000円×13~15回)
- 出産費用(分娩・入院):30~50万円程度
妊婦健診は、妊娠週数や体調、通う病院によっても異なりますが、特に問題なく順調であれば妊娠初期から中期にかけては月1回程度、出産直前の臨月には毎週1回のペースで行われます。費用は1回の健診につき3,000~5,000円くらいで、血液検査や超音波検査など特別な検査が必要になれば1万円程度の追加が発生します。
出産費用は、概ね30~50万円ほどが目安とされていますが、今や千差万別。超有名産婦人科で全室個室、出産祝いの特別ディナーに産後エステも、という豪華プランなら軽く100万円を超えることも。妊婦さんの希望する出産プランや分娩時の状況によって大きく費用が変わります。
このほか、妊娠中~産褥期(産後6~8週まで)に使用する、マタニティ衣類・下着、産後ケア用品などが必要になります。出産後には、もちろん赤ちゃんの衣類やオムツ、授乳用品なども必要です。どのくらい費用がかかるかはかなり幅がありますが、15万円ほど見積もっておけば大丈夫でしょう。
■知っておきたい充実の助成制度いろいろ
しかし、これだけの費用を全て自己負担しなければいけないわけではありません。公的な助成制度を活用するとかなり費用負担を軽くすることができます。妊娠・出産に関わる公的支援としては以下のようなものがあります。
- 妊婦健診14回分の助成
- 出産育児一時金:42万円
- 出産手当金
- 育児休業給付金
妊婦健診にかかる費用には、市区町村からの助成があります。負担内容はその自治体によって異なります。また、出産育児一時金と出産手当金は健康保険からでます。出産手当金は、給料の3分の2にあたる額の98日分を受給でき、育児休業給付金は育休開始から180日までは賃金の67%、その後は50%が雇用保険からでます。また、産休・育休中を通して社会保険料は免除されます。
これらの公的制度をうまく活用すれば、実質ほぼ無料~20万円程度の負担額で済ませることも可能です。
■いざというときに慌てない!出産時の保険適用はどこまで?
帝王切開での出産には、健康保険が適用されます。そのため、一定額を超えた場合に健康保険から医療費の払い戻しを受けられる「高額療養費制度」を使うことができます。
手術を保障してくれる医療保険に加入していれば手術給付金の支払い対象となり、入院給付金と合わせて10万円前後の給付を受けることができます。
ただし妊娠が分かってからの加入では保障の対象外となります。もしものことを考えると、妊娠前にじっくり医療保険を比較検討して加入しておくことをおすすめします。
意外とお金がかかる妊娠・出産も、あらかじめ備えておくと安心です。前もってどれくらいのお金が必要か把握し、計画的な貯蓄をしておきましょう。妊娠・出産を支援する公的制度の適用を受けるには、細かな条件があったり、申請期限が設けられている場合もあります。うっかりもらい損ねた、ということがないように、自治体や健康保険組合、勤務先などに事前にしっかり確認をしておくと良いでしょう。
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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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