学ぶ 2017.02.28 「106万円の壁」も!? 配偶者控除周辺の○○万円の壁とは

安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」や「女性が輝ける社会」の実現に向け、2016年は配偶者控除の見直しが検討されるなど、今まさに女性の働き方への関心が高まっています。女性の働き方でよくいわれるのが、「103万円の壁」や「130万円の壁」など、「○○万円の壁」という言葉。ニュースなどでよく耳にするけれど、実はよくわかっていない人も多いのではないでしょうか? 今回は、実はたくさん存在する「○○万円の壁」について、詳しく見ていきましょう。

社会保険の「○○万円の壁」

「130万円の壁」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。これは、「社会保険の加入ライン」を表します。妻がパートで働いている場合、年収が130万円以上になると、夫の扶養家族から外れ、自分で社会保険料を負担しなければならなくなるのです。

もちろん、保険料を払えば将来もらえる年金額が増えるなどのメリットもありますが、当面の手取り額が減ってしまうことになるため、働き損になると考える人が少なくありません。

新たに登場した社会保険の「106万円の壁」

2016年10月から一定の条件を満たす場合、社会保険の加入ラインが年収130万円から106万円に引き下げられました。新たに「106万円の壁」が誕生したことになります。

一定の条件とは、下記すべての基準を満たす場合となります。

  • 従業員が501名以上の企業
  • 勤続年数は1年以上
  • 労働時間が週20時間以上
  • 月額賃金が8万8,000円以上(年収106万円以上)
  • 学生は適用外

上記の基準を満たす働き方をしている人は、今までと同じように130万円を目安に働くと社会保険料の負担が増える分、手取り額が減り、働き損になってしまいます。

そこで、社会保険に加入しなくてもすむ106万円未満に年収を抑えるため労働時間の調整をするか、社会保険料を払っても働き損にならない年収160万円程度をめざすか、どちらかの選択を迫られることになります。

税制面の「○○万円の壁」

社会保険の「106万円の壁」や「130万円の壁」とは別に、税制面でも「○○万円の壁」と呼ばれるものがあります。

現在は年収が100万円を超えると住民税の支払いが発生し、103万円を超えると所得税の支払いが発生します。これがいわゆる「100万円の壁」「103万円の壁」(*1)です。

妻の年収と税金の関係を表にまとめると以下のようになります。

 妻(扶養される側)夫(扶養する側
住民税所得税控除
妻の年収100万円以下払わなくてよい払わなくてよい配偶者控除適用
100万円超
~103万円以下
払う払わなくてよい配偶者控除適用
103万円超
~141万円以下
払う払う配偶者特別控除適用
141万円超払う払う適用なし

妻がパートで働く場合、妻の年収が103万円以下なら、夫は所得税の配偶者控除を受けられます。配偶者控除とは、配偶者(主に妻)の年収に応じて、納税者(主に夫)の税金を一律38万円控除できる制度のことです。

妻の年収が103万円を超えると、夫は配偶者控除を受けられなくなりますが、妻の年収が141万円未満で、夫の所得が1,000万円以下なら配偶者特別控除の対象となります。ちなみに、配偶者特別控除とは、配偶者(主に妻)の年収が103万円から141万円未満の場合、納税者(主に夫)の税金を最高38万円から最低3万円まで、段階的に控除する制度のことです。

(*1)103万円の壁については、こちらを参照してください。

新たに登場する税制面の「150万円の壁」

2017年度の税制改正で、所得税の配偶者控除が変わることになります。配偶者控除の対象となる年収の上限が103万円以下から、150万円以下に引き上げられることになったのです。

配偶者(主に妻)の年収が150万円以下なら、納税者(主に夫)が現在の配偶者控除と同じ一律38万円の所得控除を受けられるようになります。これにより、従来あった「103万円の壁」が消滅し、新たに「150万円の壁」が登場することになるというわけです。

また、配偶者特別控除も、新しい制度では年収150万円を超えて201万円まで受けることができるようになります。ただし、新しい配偶者控除には、納税者(主に夫)の年収制限が設けられることになりました。夫の年収が1,120万円以下なら配偶者控除を受けることができますが、1,120万円を超えると段階的に控除額が減っていき、1,220万円を超えた時点で配偶者控除は受けられなくなります。

扶養にかかわる「○○万円の壁」についての正しい知識を持つ

新たな配偶者控除の制度は2018年1月から実施される見込みです。

近々結婚してフルタイムからパートタイマーへと働き方を変えようと思っている人、今後子どもができたらパートやアルバイトで働くつもりの人、現在は専業主婦でこれからパートをはじめようと思っている人などは要チェックです。

女性は結婚や出産、子どもの成長などを機に働き方を変える人も少なくありません。そのため、社会保険や税制面の扶養にかかわる「○○万円の壁」についての知識や最新情報を正しく理解することは不可欠です。国の制度がコロコロ変わるなかでも、働き損にならない賢い働き方をめざしましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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