貯める 2018.11.16 定期預金と貯蓄型保険。お金を貯めるならどちらが良いの?
「定期預金」と「貯蓄型保険」はどちらも貯蓄タイプの金融商品ですが、一体どういう違いがあるのでしょうか。それ以外にもお金を貯める手段は数多くありますが、今回はこの2つに焦点を当てて比較し、それぞれどういう人に向いているのか考えてみましょう。
■定期預金と貯蓄型保険とは
定期預金は、期間を定めて預け入れを行う預金です。原則、預け入れ終了日(1年定期の場合は1年後の契約応当日)まで引き出しを行うことができません。そのため、普通預金と比較して利率が高く設定されています。基本的には自分名義の預金口座に預け入れを行います。
一方、貯蓄型保険は、お金を貯めながら万一の時に備えることができる金融商品で、養老保険、学資保険、個人年金保険などいくつかの種類に分かれます。満期日を迎えると、当初設定された解約返戻率分を上乗せした金額を受け取ることができ、保険契約人と保険金受取人をそれぞれ別の人にすることもできます。
■定期預金と貯蓄型保険を比較
ソニー銀行の円定期預金とソニー生命保険の学資金準備スクエア学資保険(無配当)を比較してみます。預け入れ期間は10年間、100万円以上300万円未満の場合、どのようになるのでしょうか。
定期預金 | 貯蓄型保険 | |
商品名 | 円定期預金 | 学資金準備スクエア学資保険(無配当) |
利率 | 0.020 % | 解約返戻率107.2% |
10年後に満期金200万円を受け取るために必要な金額 | 預け入れ総額199万9,000円 (満期金200万2,188円) | 払い込み総額186万4,800円 |
税金関係 | 利息に対して20.315%(所得税15%、地方税5%、復興特別税0.315%) | ・満期時に満期金やお祝い金として受け取る場合、50万円以上増えている場合は一時所得として課税対象になる(一時所得×50%分が納税資金) ・学資年金で受け取る場合は雑所得となる(雑所得=毎月の学資保険金額-(毎月の学資保険×保険料総額÷学資金総額) ・受取人が子どもの場合は贈与税の対象になる(110万円を超えると贈与税の対象) |
解約時 | 預け入れ期間によって異なる(※) | 解約時の解約返戻金によって異なる |
特徴 | ネットバンクで手続きをすればいつでも手軽に始めることができる | 解約返戻率が高いので、増えやすいものの解約しづらい |
契約の目的 | 貯蓄メインで検討したい | 貯蓄に加えて保障も検討したい |
(2018年10月9日現在)
それぞれの商品が向いているのはどんな人でしょうか。
●定期預金のほうがよい人
数年以内に資金が必要だという人は定期預金が向いています。銀行の定期預金は元本が保証されていて、預金保険制度(ペイオフ)の対象になります。そのため、必要な時にまとまった資金を確保できるので安心だといえます。もしもお金が必要になっても、定期預金を担保にしてお金を借りることもできます。
注意したいのは、預金金利が高くないので、長期間の預け入れをしても増えづらい点です。満期を迎える前の解約・引き出しも(金利が下がってしまうものの)難しくないため、お金の管理が苦手な人は貯蓄しづらいかもしれません。
●貯蓄型保険のほうがよい人
お金を貯めるのが苦手な人は貯蓄型保険がよいかもしれません。保険金は毎月決められた日に自動的に積み立てられます。ライフイベントに合わせて必要な保障を組み合わせて満期日を設定できると、お金の算段がしやすいでしょう。
注意点は、元本が保証されていないことです。そのため、途中解約時には解約返戻金が掛金総額を下回ってしまう場合もあります。
■定期預金と貯蓄型保険を賢く使い分けよう
定期預金と貯蓄型保険には、それぞれ長所と短所があります。お金を貯める目的と必要になる時期によって使い分けるとよいでしょう。たとえば短期のお金は預金、長期のお金は貯蓄型保険と決めるのも一案です。
今回紹介した定期預金と貯蓄型保険以外にも、お金を貯める方法はあります。その中から、自分にとって無理なく将来に向けた備えができる貯め方を見つけましょう。いくら将来のためとはいえ、無理してお金を貯めようとしても長続きしません。想定外にお金が必要になる場合もあります。そうした時に慌てないように、しっかりとシミュレーションをしておきましょう。
TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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