増やす 2017.10.04 私の保険は大丈夫? 状況別保険内容徹底チェック

皆さんは生命保険に加入していますか。若い人の中には保険には入る必要がないと思う人もいるのではないでしょうか。年齢を重ねれば、ライフプランが変更になったり、家族が増えてライフイベントが増えるなど、状況によって新たな保険への加入を検討したり、見直しをする必要もあることでしょう。そこで、保険について考えてみましょう。

みんな生命保険に加入しているの?

生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人は、男性が80.6%、女性が81.3%となっており、多くの人が生命保険の必要性を感じていることが分かります。 では、加入している保険の保障額は、どれくらいなのでしょうか?同調査によると、病気により亡くなった際に支払われる生命保険加入金額の平均は男性で1,793万円、女性で794万円となっています。性・年齢別でみると、男性は20代で1,127万円なのに対し、40代では約2倍の2,396万円、女性で最も高い30代でも914万円と男性と比べて加入金額は低めで、性別や年代で生命保険の加入金額に大きく差があることが分かります。

保険見直しのタイミングを逃さないこと

保険は、「第一分野」、「第二分野」、「第三分野」に分類されています。

「第一分野」は主に死亡時の保障を備えた生命保険、「第二分野」は火災保険や自動車保険など物に損害があった時の保障を備えた損害保険、「第三分野」は入院や手術時の保障を備えた医療保険やがん保険、介護保険などを言います。

年代や収入、貯蓄額、家族構成、持ち家の有無などで、「備える保障・金額」は変わるので、こまめな保険の見直しが必要です。

生活状況が変わるタイミングは忙しいことが多いでしょう。「保険のことはよく分からないし、面倒なのでそのうち……」と、ついつい後回しにしてしまいがちになりますが、生命保険は「告知」といって健康状態の申告が必要になります。

たとえば、病気やケガで入院や手術をしたり、健康診断結果が悪かったりすると、希望通りの保険に加入できない可能性もあります。見直しのタイミングが来たら、早めに考えておく必要があるでしょう。

保障のオプションは豊富にある

保険の保障は、「主契約」と「特約」で成り立っています。「死亡(高度障害)」、「入院」「三大疾病(がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中)」が主契約となり、そこにオプションとして特約を付加することで保障を充実させることができます。

たとえば、死亡・高度障害の保険に病気やケガで働けない時の保障が付加できたり、三大疾病で所定の状態になった場合、保障はそのままで、保険料が免除され(保険料の支払いが0円になる)ます。

医療保険には、入院・手術だけでなく、退院や通院時にも給付金がもらえたり、女性特有の病気の際は通常よりも保険給付額が多くなったり、先進医療を受けた時には実費が保障(上限あり)されたりするものもあります。そのため、治療に専念して最新の医療を受けるなど、保障を充実させることも可能です。

厚生労働省の平成26年度「国民医療費」によると、傷病別医療費の第1位は20.1%で循環器系疾患(高血圧、心疾患など)、第2位は13.6%で新生物(がん)となっています。三大疾病は、治療費が高額になりやすいので、入院した場合だけではなく「一時金」のオプションを付加することで、数十万~数百万円の保険給付を受けることもできます。

特約は、契約の途中で取り外しが可能ですが、主契約の内容は保障額を変更することができるだけで、保険料の払込期間や当初の保険期間を変更することはできません。

また、特約のみで契約することはできないので、保障の内容だけでなく今後のライフプランを考えながら、保険の内容も考える必要があります。

主契約が入院保障で、特約として死亡保障や三大疾病の保障をつけることもできますし、主契約が死亡保障で、特約として入院や手術、三大疾病の保障をつけることも可能です。

保険の3つの基本形

医療保険は、保障が一生涯の「終身タイプ」と一定期間のみ保障がある「定期タイプ」があります。一方で、生命保険は主に下記の3つが挙げられます。

生命保険の3つの種類
生命保険の種類概要
定期保険
(掛け捨て保険)
  • 保険期間が決まっており、保険期間が終了すると契約も終了する
  • 保険期間は、5年、10年、15年、もしくは60歳まで、65歳までなど
  • 契約終了時に支払った保険料が返ってこない
  • 保険を継続する場合は自動更新されるが、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、毎月の支払保険料は上がる
養老保険
  • 定期保険と仕組みは同じだが、契約終了時に「満期保険金」が支払われる
  • 保険期間は10年、15年など5年刻みで加入できる商品が一般的
  • 定期保険より保険料は高め
  • 保障を得ながら貯蓄もできるため、満期時期を考えて使う目的が明確で、そのために資金を貯める手段として活用できる保険
終身保険
  • 保障が一生涯続く
  • 貯蓄性も兼ね備えている
  • 保険料の支払期間が選べるため、老後は保険料の支払いをしなくても良いように、60歳や65歳で一生分の保険料を支払い終えることも可能
  • 「一時払い」「前納」といって、保険料を一括で支払う方法もあり、保険料の払込期間を短くすればするほど、保険料の総支払額は少なくなる

(各種資料より編集部作成)

タイプ別の検討すべきポイント

保険には、さまざまな保障の内容や種類があることをお伝えしてきましたが、会社員で年収600万円の31歳男性の3つのライフステージにおける保険加入を考える際の具体的なポイントを考えていきます。

・独身(一人暮らし、賃貸住宅)の場合

死亡時の保障よりも、病気やケガで医療費が必要になった時や、働けなくなった時の保障が大切です。20代、30代は病気やけがにより収入が減ってしまったり、医療費がかかることで貯蓄が思うようにできなかったりと、突発的な出来事による、収入源、貯金不可の状況がその後の家計に大きく響きます。

結婚するかどうか、子どもができるかどうか、妻が専業主婦になるのかどうか、など今後のライフプランに未確定な部分が多いので、今後の保険見直しを見据えて加入することが大切です。

主契約は終身タイプの死亡保障か入院保障にし、最低限の保障を確保して、特約を多くすることで保障を充実させると、月々の保険料は安くて保障が大きな保険に加入することができます。月々の保険料コストを抑えることで、保障を備えつつ今後の結婚資金や住宅購入資金、教育資金などの貯蓄を増やすことも大切です。

・既婚(共働き、子どもなし、賃貸住宅)の場合

自分自身に「万が一」があった場合でも収入が0円になることはありません。今後、子どもが生まれても妻が働き続ける計画であれば、独身時代と保障内容を変える必要はないでしょう。

逆に、保障は少なくして主契約の保険料の支払い期間を60歳までにしたり、貯蓄性を兼ね備えた保険にしたりするなどして、「量より質」を重視する内容へ見直しすると、掛け捨てする保険料は少なくなります。

・既婚(妻が専業主婦、子ども1人、持ち家)の場合

死亡保障、医療保障共に、充実させる必要があります。ただし、持ち家で住宅ローンを組んでいる場合は、「団体信用生命保険(団信)」という保険に加入しているはずです。団体信用生命保険の内容を確認し、夫が死亡時に住宅ローンが0円になる場合は、生命保険の加入金額は少なくても良いでしょう。

死亡保障は子どもが自立するまでの期間(子どもが22歳まで)の定期保険で準備し、三大疾病、障害状態になった場合、働けなくなった場合の保障金額は、生活費の6カ月~1年分の金額を設定しておくと、生活費は確保できるので安心です。

以上、保険の加入の仕方はさまざまです。保険商品も新しい商品が随時出てくるので、自分だけで判断するのではなく、ファイナンシャルプランナーなどのプロに相談してみるのも方法の1つです。

「あの時……」と後悔する前に、早めに情報収集をして備えておくことが大切です。

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