貯める 2017.11.27 「300万円貯めるコツ」手取り25万の私が貯めた方法

国税庁の民間給与実態統計調査(*1)によれば、2016年の給与所得者の平均年収は約420万円という結果でした。年収420万円で、ボーナスを引いた収入が370万円だとすれば、月々の手取りは約25万円になります。生活費を差し引いて月々貯蓄ができればよいのですが、なかなかうまくいかない人もいるでしょう。お金を貯めることができる人はどのようなことをしているのでしょうか。実際に、手取り25万円で300万円貯めたAさんにその方法を聞いてみました。

手取り25万からはじめる貯蓄方法

Aさん(29歳男性・未婚・一人暮らし)

民間企業勤務
年収420万円:手取り25万円(額面294,000円)・ボーナス 手取り552,424円(額面672,000円)
25歳までは貯蓄についてあまり考えていなかったが、怪我で3カ月間入院することになり、仕事ができなくなった。その期間、最初の2週間は有給休暇を消化できたものの、その後の約2カ月と2週間は欠勤扱いになったため収入が激減し、万が一のための備えは必要だと感じた。

私はお金があればあるだけ使うタイプだったのですが、怪我で入院した経験から、お金がないと本当に生活していけないと気づきました。そこで、段階を分けてお金のことを考え、貯めて、増やすことを意識しました。実際にやったことは下記の3Stepです。

  • Step1 お金を3つに分ける
  • Step2 「生活口座」と「貯蓄口座」に分けて、貯蓄の意識を持つ
  • Step3 お金を「貯める」から「増やす」へ

Step1 お金を3つに分ける

まず、お金を貯めようと思っても、どのような種類のお金が必要なのか分からなければ、目標を立てることもできず、お金を貯めることもできないと考え、3種類のお金に分けることにしました。

Aさんが考えたお金の分け方
生活費と備え生活費や入院費、冠婚葬祭費など
5年以内に必要なお金結婚費用、引越し費用、マイカー頭金など
将来のためのお金老後、(将来的に結婚したら)マイホーム、子どもの教育費、夫婦のお金

分類を分けたところで、まずは「生活費と備え」「5年以内に必要なお金」を貯めることに集中しました。当時の毎月の支出の内訳は家賃6万5,000円、光熱費1万円、通信費1万円、食費6万円、日用品雑費1万円、保険料1万円、被服費1万円、奨学金返済1万円で、残りのお金が趣味や交遊費、娯楽費など使途不明金です。

お金の分類

Step2 「生活口座」と「貯蓄口座」に分けて、貯蓄の意識を持つ

貯蓄をしたことがほとんどなかったので、実際に貯蓄をしている人に貯蓄方法を聞いたところ、すぐにできるアドバイスを3つもらいました。

  • ATM手数料をおさえるように工夫する
  • 生活口座と貯蓄口座に口座を分けた方がいい
  • 固定費は引き落としにすること

ATMの手数料について振り返ってみると、コンビニで出金する回数が多いと気づきました。1回の手数料は少額でも、10回20回と増えればそれなりの金額になります。そのため、ATM出金手数料が無料の銀行を生活口座、定期預金金利が高めでサービスが充実している銀行を貯蓄口座にしました。

固定費の引き落としは、下記の手続きをとりました。

  • 水道、電気、ガス、通信費、保険料をクレジットカード引き落としに変更
  • 家賃を口座引き落としに変更
  • 銀行で自動入金サービスを契約

自動入金サービスは、毎月決められた日に銀行のお金が出金され、数日後に自動的に入金されるサービスです。こうすれば、最初から生活口座の中に貯蓄用のお金が「ない」ものだと考えられます。

実際に、上記の仕組みが整ってから2ヵ月後には、毎月15日になっても生活口座の中に10万円が残るようになっていました。それまでは毎月15日くらいになると給料日の10日間どうやってお金を使わずに過ごすかを考えていましたが、少し意識することでこれだけ違うのかと感じました。

お金が貯まりそうだと感じると、ネットで割安で購入したり、移動はタクシーではなく公共交通機関に変えたり、週末は料理を作ってみたりなど、徐々にお金を貯めることが楽しくなっていきました。

Step3 お金を「貯める」から「増やす」へ

お金を貯めることが楽しいと思うようになってきた頃、証券会社に口座を開設して個人向け国債も始めました。

銀行の定期預金は1年定期でも途中解約ができますが、個人向け国債は買付をしてから1年は途中解約できません。1年以内に解約可能な銀行定期のお金を備え用にし、個人向け国債を5年以内に必要になるお金用として分けて考えることにしたのです。

貯蓄をしてから1年後には、月1万円ずつ外貨MMF(米ドル)の積立も始めました。この頃には、銀行に3万円、個人向け国債に2万円振り分けてもゆとりのある生活を送ることができるようになっていたので、1万円を外貨MMFに回しても生活が困ることはありませんでした。

ボーナスも貯蓄に回す分と使う分に分けて考えたことで、貯蓄を始めてから3年後に、ついに300万円以上貯めることができていたのです。

現在は、会社の確定拠出年金に加入したり、NISAを利用して投資信託を始めるだけではなく、ずっと積立をしていた外貨MMF米ドルの一部を利用して米国の企業が発行する債券(米ドル債券)を保有するなど、無理なく貯蓄をしています。

お金を貯めるStepを確認しよう

このようにして、3つのStepを実践して、300万円貯めることができました。私が行った方法は特別な方法ではありませんが、人から聞いたことを参考にしてコツコツと貯蓄をした結果ではないかと思っています。

最初は貯蓄をする以前にお金のことを考えるのが面倒くさいと思っていましたが、収入が減ると貯蓄があることのありがたみが分かりました。

私は上記のStepを習慣にして、楽しみながらお金を貯めることで急な出費などに困らなくなりました。今からお金を貯めていけば、10年後や20年後の貯蓄額は異なるでしょう。みなさんも一緒に貯蓄をしてみませんか。

(*1)平成28年分民間給与実態統計調査結果について(参照:2017-10-06)

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