学ぶ 2017.03.16 じっくり見たことありますか? 給与明細はここを見る

自分のお給料のことなのに、毎月、給与明細をもらっても、細部まで見ていない人も多いのではないでしょうか。どのような項目があって、税金や保険料はどれくらい天引きされているのか? そもそもなぜ天引きされるのか? 一度、給与明細をじっくり眺めて、税金や保険のしくみについて理解を深めてみましょう。

まずは支給欄をチェック

給与明細は大きく、「支給」「控除」「勤怠」という3つのパートに分かれています。そのうち、「支給」欄には、会社から支払われる基本給や諸手当の内訳、支給額の合計などが記されています。正式な書式があるわけではなく、項目の内容は会社によって異なります。

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● 基本給

年齢や勤続年数、職種、能力などに応じて算出される基本的な給与です。所属する企業の給与規程などによって定められています。多くの会社では、ボーナスや退職金の金額を計算するときのベースになるため、毎月の総支給額の割にボーナスが低いと感じた時は、基本給を確認してみましょう。

● 諸手当

手当の項目は会社によってさまざまですが、主に、「業務内容や役職など職務に関連して支給されるもの」と、「生活をサポートするもの」があります。前者は、営業手当や資格手当、役職手当など。後者は、扶養手当、住宅手当、通勤手当、単身赴任手当などが当てはまります。このうち、通勤手当は10万円まで非課税。後ほど出てくる「課税支給額」欄に関わってきます。

● 時間外労働手当

いわゆる残業代のこと、就業規則で定められた労働時間をオーバーして働いたときに生じる割増賃金です。このほか、休日出勤手当、深夜労働手当などがある場合もあります。

● 総支給額

基本給や諸手当など、会社が従業員に支払った報酬の合計で、いわゆる「額面」と呼ばれるもの。社会保険料算出の基準になります。

● 課税支給額、課税対象額

総支給額から、通勤手当(月10万円まで)および社会保険料(後述)の合計を引いた金額。所得税と住民税の算出基準になります。

● 差引支給額

総支給額から社会保険料や税金などを差し引き、実際に従業員の口座に振り込まれる金額。いわゆる「手取り」と呼ばれるものです。

控除:引かれる額も確認しよう

「支給」が会社から支払われるお金であるであるのに対して、「控除」は、給与から差し引かれるお金のこと。健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの社会保険料や、所得税・住民税などの税金がその代表です。額面(総支給額)と、手取り(差引支給額)の差が大きい場合は、こちらを確認してみましょう。

● 健康保険料

医療機関で診療を受ける際、医療費の一部を負担してくれる健康保険。会社員の場合、原則、所属する企業が加入している健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入することになっています。保険料は会社と従業員が半分ずつ負担するため、給与明細に載るのは自分の負担分です。

● 介護保険料

将来、寝たきりや認知症などで生活が困難になったときに介護サービスを受けるための保険。40歳以上になると保険料の支払い義務が生じ、64歳までは会社と従業員が半分ずつ保険料を負担します。健康保険料同様、給与明細に載るのは自分の負担分です。

● 厚生年金保険料

障がいを負ったり死亡したりした場合を含め、将来、年金を受給するために支払う保険料です。通常、会社員は厚生年金に加入します。健康保険や介護保険同様、保険料は会社と従業員が半分ずつを負担することになっており、給与明細に載るのは自分の負担分です。

● 雇用保険料

いわゆる失業保険と呼ばれるもので、失業時の生活を安定させるための保険です。次の職場が決まるまでの一定期間、所定の条件を満たすことで受給できます。やはり保険料は会社と従業員双方が一定割合ずつ負担し、給与明細に載るのは自分の負担分です。

● 所得税

所得に応じてかかる税金。毎月、給与に応じて計算されたおおよその額を会社が徴収(源泉徴収)し納めることになっています。会社員の場合、12月に年末調整を行うことで、正確な税額を確定させます。

● 住民税

住所地のある地方自治体に納める税金で、市町村民税と都道府県民税の総称。給与所得者の場合、前年の給与をもとに計算され、翌年6月から12回にわけて徴収されます。そのため、前年に収入のない新卒社員からは天引きされません。自治体により税率が異なるため、住む場所によって税額が変わります。ふるさと納税(任意の自治体に寄附を行った場合、2,000円を越える部分について所得税と住民税から控除される制度)をした際などは減額されます。

● その他

会社で「財形貯蓄」(勤労者財産形成貯蓄)を行っていたり、企業で生命保険に加入したりしている場合なども、天引きされた貯蓄額や保険料が記載されています。

給与明細は自分の仕事に対する成績表

このほか給与明細には、勤務日数や欠勤日数、残業時間、有給休暇の消化日数などの出勤データを記録した「勤怠」欄もあります。残業時間などは記載ミスが発生しやすいため、きちんと確認して誤りがあった場合は速やかに対処してもらいましょう。

給与明細は職場における自分の価値を考えるきっかけになりますし、将来、見返すことで、自分の評価がどのように変わってきたかを確認する材料にもなるため、できれば保管しておくといいでしょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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