貯める 2017.02.10 【税理士さんに聞いた】会社員でもできる「節税」とは

会社員の場合、仕事に関わる費用を「経費でおとす」ことができないため、自分でできる節税対策というのはあまりないように思えます。そもそも節税とは何なのか、会社員にもできる節税にはどんなことがあるのか、税理士さんに聞いてみました。

税金のしくみ

そもそも会社員には「給与所得控除」というしくみがあります。これは、自営業者にとっての必要経費のようなものです。会社員が仕事に必要なカバンやスーツや靴などを買うための経費の代わりに、給与所得控除が認められているのです。

給与所得控除は年収に応じた額が決められており、たとえば年収300万円の場合は108万円、年収500万円の場合は154万円、年収800万円の場合は200万円が収入から控除されます。

「スーツ代が経費になる」と話題になった特定支出控除は、この給与所得控除額の半分を「特定の支出」が超えれば受けることができるしくみです。

たとえば、給与所得控除が100万円の人は、スーツ代に50万円以上かかり(なおかつ会社がそれを特定支出として認めてくれれば)超えた分が控除対象となります。

もしこの人のスーツ代が49万9,999円の場合は、特定支出控除は使えませんから、もう1着、スーツを買い足した方が税金は安くなります。

買い足したスーツが10万円だとすると、

(49万9,999円+10万円)-50万円=9万9,999円

が、特定支出控除対象額となります。

所得税+住民税で、約15%の税率として計算すると、ざっと1万5千円ほど税金が安くなります。ただし、その分、支払いは多くなります。この例だと、「買い足した10万円のスーツを実質15%OFFで買えた」という言い方はできるかもしれません。

会社員にもできる節税

・医療費控除

年間の医療費が10万円を越えた場合に対象となるのが医療費控除。生計を一(いつ)にする家族の分を合算できますので、自分だけでなく配偶者や子どもにかかった医療費も確認してみましょう。

・セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制は2017年から施行された新制度です。対象となるOTC医薬品の年間購入額が1万2,000円を超えるとき、その超えた部分の金額を対象に受けることができる所得控除です。医療費控除制度とセルフメディケーション税制は同時に利用することができないので注意しましょう。

・確定拠出年金(iDeCo)

確定拠出年金(iDeCo)は2017年から加入対象者範囲が拡大しました。掛金は全額所得控除となります。また、運用益も非課税、将来年金や一時金として受け取るときにも「公的年金等控除」や「退職所得控除」が受けられます。

・ふるさと納税

ふるさと納税とは、簡単にいうと自治体に寄附をすると、2千円の負担だけで、お礼の特産品までもらえるという仕組みです。例えば3万円のふるさと納税をして2万円相当の特産品を貰ったとすると、2千円の負担で2万円相当の特産品をもらったことになるのです。この場合、2万円-2千円=1万8千円分「得をした」ことになります。節税とは意味合いが異なりますが、大変お得な制度です。

節税の考え方

「税制度を知って、理解し、利用すること」が節税につながります。医療費控除もセルフメディケーション税制も、知らなければ利用することができません。会社員は、会社から所得税や住民税を天引きで給料から自動的に引かれているため、納税意識や節税に対する関心が高くないといわれています。法律や制度が変更になるなど最新の情報を新聞やインターネットで常に貪欲にチェックすることが大切です。

また、もともと払わなければならない税金がどのくらいあるのかによって節税の効果は大きく違ってきます。専業主婦など収入がない人は当然、確定拠出年金をやっても節税にはなりませんし、住宅ローン減税を利用して、所得税が全額還付になっているような場合も同様です。「節税」とは、あくまで払う税金が安くなることだと理解しましょう。

話:アトラス総合事務所 代表 公認会計士・税理士・行政書士 井上修さん

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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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