貯める 2018.01.31 iDeCoをはじめたけれど、途中解約したくなったらどうすれば?

iDeCo(イデコ)の認知度はますます高まっており、2015年には6万617人だった新規加入者が2017年の11月時点では29万4,437人(*)にまで増えています。しかし、せっかくiDeCoに加入して積立を始めても、途中解約したい、買付けをストップしたいと思う人もいるようです。そこで、iDeCoを途中で辞めたくなった場合はどのようにしたらよいのかを考えてみましょう。

■iDeCoは途中解約できない

個人型確定拠出年金・iDeCo(イデコ)は、2018年から年払いができるようになったことで、ボーナス月にまとめて支払えるようになりました。

iDeCoの毎年の拠出上限額
自営業者月額6万8,000円(年額81万6,000円*)
会社に企業年金がない会社員月額2万3,000円(年額27万6,000円)
企業型DCに加入している会社員月額2万円(年額24万円)
DB(確定給付企業年金)と企業型DCに加入している会社員月額1万2,000円(年額14万4,000円)
DB(確定給付企業年金)のみに加入している会社員月額1万2,000円(年額14万4,000円)
公務員等月額1万2,000円(年額14万4,000円)
専業主婦(夫)月額2万3,000円(年額27万6,000円)

*国民年金基金または付加保険料との合算枠
iDeCoガイド、たあんとネット等を参考にし、編集部作成

2017年までは毎月いくら積み立てると決まっていましたが、上記の拠出上限額の間で1年間の掛け金を決めればボーナス月にまとめて支払えるようになりました。表でも分かるように、月額や年額の掛け金の上限額は職業等で異なります。

なお、iDeCoは10年以上掛け続けて初めて60歳から受け取ることができます。注意しなければいけないのは、原則途中解約できないということです。iDeCoはそもそも老後の資産形成を目的としています。政府も税制優遇制度としてiDeCoを推進しているくらいですから、やむを得ない事情を除いて途中解約はできません。じっくりと将来に備えるという意識をし、表の上限額を意識しつつも無理のない範囲で積み立てることが肝心です。

■iDeCoを途中解約せずに続ける2つの方法

そうはいうものの、怪我や病気、転職などの何かしらの原因で仕事を続けることができなくなる場合もでてくるかもしれません。その場合は、途中解約はできないものの、掛け金を下げる、払込の一時休止をするなど検討することができます。

◎掛け金を下げる

1つ目は掛け金を下げて続けることです。最初に決めた掛け金は年に1回だけ変更できます。最低金額は5,000円、1,000円単位で変更可能です。掛け金を変更する時には「加入者掛金額変更届」を運営管理機関へ申請します。手続きにかかる日数は運営管理機関によって異なるので、早めに対応しましょう。

◎一時休止する

2つ目は運用を一時休止する方法です。これによって、掛け金の支払いは中断されますが、引き続き運用商品を選択することはできます。なお、払込を一時休止していたとしても、口座管理手数料がかかることには注意が必要です。

掛け金を下げる、一時休止するのいずれの場合でも毎月の手取りや、今後のライフプランにあわせて計画を立てるようにしましょう。

■iDeCoが途中解約できたり、引き出しができる時

iDeCoは原則解約することはできませんが、例外があります。「脱退一時金を受け取る場合」「加入者が死亡した場合」「加入者が怪我や病気で障害を負った場合」の3つのいずれかに該当する場合は途中解約や引き出しが可能になります。

◎脱退一時金を受ける場合

原則60歳まで引き出しができないiDeCoも下記の5つの要件をすべて満たす場合に限り、脱退一時金を受け取ることができます。

  1. 国民年金の第1号被保険者のうち、年金の全額免除もしくは一部免除、納付猶予を受けている
  2. 確定拠出年金の障害給付金受給権者ではない
  3. 通算拠出期間が3年以下、もしくは個人別管理資産が25万円以下
  4. 企業型確定拠出年金・個人型確定拠出年金の加入者資格を喪失した日から2年以内にあたる
  5. 企業型確定拠出年金で脱退一時金を受けていない
    (国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」より引用)

◎加入者が怪我や病気で障害を負った場合

怪我・病気で障害を負えば、障害一時金もしくは障害年金として受け取ることができます。あくまでも例外的なケースですが、万一に備えて知っておくと役立つでしょう。

◎加入者が死亡した場合

iDeCoは加入者の死亡時にも解約扱いとなり、遺族が死亡一時金として受け取ります。遺族が受け取る場合はみなし相続財産として扱われ、年金で受け取ることができません。

■iDeCoは途中解約せずに無理のない範囲で

iDeCoは、余裕がある老後を目指して資産形成を進めるための仕組みです。将来を気にするあまり現在のキャッシュフローがままならないようでは本末転倒ですが、上手に活用していけば節税効果も期待できます。運用益に対する非課税、所得控除といったメリットや途中解約できないリスクをふまえて、いくらから始めれば自身にとって有利な選択といえるのか考えてみましょう。

もし、どこの金融機関でiDeCoを始めればよいか、投資信託や保険、元本確保型の商品など、どの商品で資産運用したらよいか、掛け金はいくらにしたらよいかなど迷うようであればファイナンシャルプランナーに相談しても良いでしょう。老後に後悔しないために、無理なく運用することが大切です。

*国民年金基金連合会 発表資料参照

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

マネチエでは身近なお金の話題をお届けしています
この記事を気に入っていただけたらフォローをお願いします!

ページトップ